遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(7)悲しみのヘッドライト

今回はヘッドライトの話でコネタです。

謎の工具

ビートの純正車載工具に入っている謎の工具。車幅灯(ポジションランプ)交換用のSSTです。中古車だと付属しているのもマレですが、幸い車載工具は全部そろってました。ビートの車幅灯は、到底手の入らない所にあるので、交換の際にはこのSSTをタイヤハウスの裏の穴から突っ込んで、カプラーを掴みひねって取り出します。整備記録も大事ですが、こういった付属品がそろっているかどうかも、いいタマかどうかを判断する基準になりますね。

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ヘッドライト交換

純正は一応ハロゲンランプですが、最近のHIDやLEDの明るさに慣れると、やっぱり暗い。そんなに夜間の走行はないのですが、最近目も弱ってきたので、明るくしたいところです。中華製で安いのもあるのでHIDやディスチャージに交換というのもありですが、加工が必要なのと光軸調整がめんどくさそうなので、ハイワッテージへバルブ交換をすることにしました。ところが、ビートのバルブは702Kというマイナーな規格。メジャーなH4バルブよりも小型で、当時はHONDAが良く採用していたのですが、最近ではほとんど見かけません。カー用品店でも交換用のハイワッテージバルブは在庫はありません。で、ネットで購入。昔は安売りもありましたが、種類も選べないので値引きも少いレイブリックを購入です(泣)

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交換はものの5分で終わります。注意点はランプを素手で触らないようにすることぐらいです。

ところで、静岡県は小糸やスタンレーの工場もあって、自動車用電球の出荷額が日本一だったはずですが、最近は日本一ではないようです…がんばれ静岡県!

 

 

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(6)車検とメインリレーの話

少し前になりますが、3代目ビートの購入後最初の車検を通しました。購入した中古車店で通そうかと思ったのですが、N-Oneを新車で購入した際のしがらみもあって、ホンダカーズにお願いしました。

マフラーとサスペンションは車検対応なので、そのままで、準備は下記の二点。

・フロントタイヤは車体からほんの数ミリはみ出てるので、保管していた純正ホイールに交換。リアはそのままです。

・momo製シフトノブに交換してますが、シフトパターンが書いてないので、シフト脇にポストイットにシフトパターンを書いて貼り付け。これ毎回忘れてるんですが今回は忘れませんでした。ちなみに、ハンドルのホーンマークも無いと車検に通らないです。

購入時からフロントガラスに飛び石のキズがちょこっとだけあったのですが、ディーラーで確認したところOKでした。今回は、オイル、フルード類、バッテリーやワイパーブレードの交換はせず、ブレーキのシール他のチェックをお願いして車を預けました。

夕方ディーラーから「ドライブシャフトのシールからオイル漏れがあり交換した方がいいですよ。」との電話があり交換をお願いしました。シャフトブーツの方は無事だったようです。オイル交換を下抜きで行うときに、少しオイル汚れがあるなあとは思ってたのですが、やはりゴム類は劣化しますね。ブレーキ廻りのシールは固着も無かったようで、もう少し様子を見ることにします。助手席側の雨漏りについても、確認してみてくれたみたいですが、「枠ゴムを交換すると高価ですし、交換しても漏れるときは漏れます」との、ごもっともなお答え。2台目の時も枠ゴム交換で直らなかったので、あきらめます。

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購入時から取説と一緒についていたホンダ整備手帳。懐かしい感じがします。

ついでにメインリレー購入

去年の夏の猛暑の日にリカーショップ→コンビニと回っていたところ、コンビニ駐車場でエンジン始動不良。セルは回るものの、エンジンがかからない。まずは、5分ほど放置してみる。かからない…燃料パイプのパーコレーションであれば、ガソリンキャップを開けて、しばらく放置。かかった!と思ったもののすぐ停止。その後は全くかかりません。暑さの汗とは別のイヤーな汗が出て、ビートの中ではメジャーなトラブルのメインリレーの事が頭に浮かびます。コンビニの灰皿でタバコを吸いながらスマホで善後策を検索し、とりあえずキーを入れたときに燃料ポンプの作動音がするかどうか確認することにしました。カーステの電源を切ってスイッチオン。おおっジージーとポンプの音がします。そのまま回すとエンジンかかりました!そのままエンジンを止めないように恐る恐る家に帰りました。

帰宅後、助手席後ろの内装を外し、ECU脇にあるメインリレーを取り外し分解。ツメを外すだけなので簡単に分解できます。リレー二つと抵抗他の簡単な基盤を確認すると、ハンダが部品の足を中心に輪っか状に亀裂が入っています。暑さや熱による部品の浮きで接触不良となって動作せず、冷えるとくっついて作動したんですね。とりあえず半田ゴテではんだを盛って、元に戻してそれ以降は問題ありませんでした。車検まで忘れてましたが、新品に交換しておいた方が良いので、パーツだけお願いして自分で交換することにしました。

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CR-V用の流用もできるようですが、ビート用の純正品がきました。交換後は、古い部品は念のためグローブボックスに携行しておきます。

余談(1)ビートの車検時にHR-V(結構好きな車)とNSXが車検で入ってました。一番ホンダが良かったころですねぇ~皆さん大事に乗っているのに少し感動。ビートと同じく、今のホンダ車には乗り換える車が無いんでしょうね。

余談(2)引き取りの時にS660の試乗車があり、見せてもらいました(時間が無く試乗はできずザンネン)ビートとは比較できないぐらい立派な車です。でもあんまり心は動かされませんでした。理由はまた別の機会に。

 

 

 

 

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(5)Aピラー塗装

今回はさくさくと。

ビートのAピラー(フロントウィンドウの廻り)は新車時から塗装ではなく、フィルム貼りになっています。塗装の場合は経年劣化で色褪せてきますが、フィルムのなので、ゆで卵の殻剥きのように、ひび割れてきます。黒なので遠目には目立たないのですが、近くで見るとボロボロで剥げかかってきます。錆びるものもいやなので、再塗装をDIYで行いました。修理前の写真は無いです。すみません。

①古いフィルムはがし

作業の半分はこれ。フィルムは地道にスクレーパー等ではがしていきます。ドアゴム裏やボディ裏側まで回って貼ってあるので無理せずカッター等でフィルムに切れ目を入れたほうが良いです。スクレーパーでボディを傷つけるので、あまり力を入れすぎないように。温度が低いと古くなった粘着部がはがしにくいので、気温が上がってからか、ヒートガンを使うとはがしやすくなりますが、ひび割れているのでちまちまと根気強く剥がすしか手はありません。粘着部はほとんどがボディ側に張り付いているので、シール剥がし剤やパーツクリーナで落としていきます。はがす際は片付けながら作業しないと、フィルムの欠片の粘着力は経年劣化してないので、あっちゃこっちゃに付いて始末に困ります。

②下地処理とマスキング

ここからは、普通の塗装作業です。ボディ同色やツヤありに塗装する際は念入りに処理しておきましょう。エアーでゴミを飛ばした後、残ったシールの残骸や、傷はサンドペーパーでならします。傷が深い場合はうす付けのパテで埋めます。320番当たりのサンドペーパーから初めて、800~1000番ぐらいまでのペーパーで下地を滑らかにしていきます。マスキング後は脱脂して、プライマーを吹きます。プライマー後足付けのため、再度1000番ぐらいのペーパーをかけます。

③塗装

さらに脱脂したあと、塗装になります。つや消しブラックの場合は、自動車用塗料でなくても、一般用の水性スプレー塗料でも十分です。数回に分けて塗り重ねますが、数百円の缶スプレー1本で十分塗れます。ツヤありブラックの場合は、クリアーを吹いてキレイに仕上げます。

私は半ツヤのブラックで塗りましたがこんな感じ。

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時間の関係もあって、下地に時間をかけなかったので凸凹してるのと、マスキングはがしの際に、ちょびっと塗料が剝げました。ボディ同色は、ボディ側の色褪せもあるので、業者さんに任せた方が色が合いやすいかと。状態にもよりますが、フィルムはがし~下地処理はコツコツやって1日はかかります。塗装も含めて2日はかかるので、お天気とも相談してチャレンジしてみてください。時間のないはウエストヨコハマから貼るだけのAピラーカバーが出ているので、そちらの方が簡単に施工できます。

 

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(4)三代目黄ビート(その③)

さて、前回からの続きです。

マフラー交換

ビートのエキゾースト系は、MRのためエンジンルームが車体の後ろとなり、エキマニ、触媒、マフラーが狭いスペースにぎっしり入ってます。ノーマルマフラーもヌケのいい構造でよくできているのですが、サイレンサー部がモナカみたいな凸凹になっていて格好悪いのと、貧相なシングル出しのテールパイプが気に入りません。また購入時から排気口から若干のスラッジ(オイル?)が出ていたのと、全体に錆が進行していたので、交換することにしました。寿命は長いですが、マフラーも交換が必要となるパーツですので、HKS、Feels、無限、フジツボ等々結構新品で入手できます。選択肢があるというのはありがたいのですが、かなり悩んだ末にフジツボのレガリスKに決めました。実は2台目もこのマフラーだったのですが、音量もほとんど純正と変わらず、4本出し(3気筒なのにとか言わないでください(笑))のテールが気に入ってます。前述の通りスペースに余裕がなく、メーカー側で吸排気系はきっちりチューニングされているので、あまり尖ったマフラーは除外して、純正+αでカッコだけを追求しました。リア周りのジャッキアップと、リアバンパー外しだけで交換は可能ですので、ネットで購入しDIYで取り付け。作業時に触媒側のガスケットが添付されないのに気づき、流用したのですが、時々車内に排ガス臭が漂うようになり、確認したところやはり排ガスが漏れてました。ガスケットは純正品でHondaから入手できます。

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格好はいいのですが、左右内側のパイプからは排気ガスがあんまり出ません(笑)純正と違って、リアバンパーの下から、ちょろっとステンのタイコが見えるのがGoodです。

O2センサー交換

上の写真でも外側のパイプについてますが、マフラーからスラッジが出ます。また低速での減速時のアクセルオフで、マフラーあたりからポンとかパンとかいう爆発音が出ることがありました。スラッジは排気ガスが白煙を上げるほどではないので、オイル廻りではないとは思います。またバックファイアとも言えない音量の音について考えると、燃料が微妙に完全燃焼していない事が想像できます。点火系やECUも怪しい感じですが、全体的にエンジンの調子は良いので、とりあえず劣化してそうなO2センサーを交換することにしました。ネットでBoschのラムダセンサー(品番:15733(LS602))を注文しました。得意のDIYですが、触媒のエンジン側の取付場所が凹んでいるのと、遮熱版が邪魔で、普通のレンチでは取り外しができません。ケーブルもあるため、O2センサーソケットという切り欠きのあるソケットを使うと楽ちんです。配線も数本なので簡単に済ませ、ECUをリセットして完了。で、効果ですが、低速時のアクセルオフ時の音はほとんどしなくなりました。が、スラッジは思ったほど減りませんでした。うーん、吸気系のセンサーかインジェクターかヘッド回りのオイルですかねえ…まあ、通常走行には問題はないのでとりあえず今後の課題ということで。

(おまけ)ガソリンはハイオクにするかレギュラーにするか?

マフラーからの音の時に、ハイオクを試してみましたがほとんど効果はありませんでした。ハイオクにはエンジン洗浄成分が含まれているので、それには期待できますが、パワー面ではオクタン価を上げても、ECUがレギュラーのみのMapしか持っていないので、無意味でしょうね。S2000やシビックタイプRユーロの時はハイオク指定だったので、レギュラーはNGでしたが、間違ってレギュラーを入れるとエンジン側で判定して低オクタン用のMapに切り替わるようです。車種やビートでも個体によっても効果があるかもしれませんが、私のビートはレギュラーの方が相性がいいようです。

三代目ビートの話は今回で終わりです。

また手を入れたら報告します。

 

 

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(4)三代目黄ビート(その②)

新年あけましておめでとうございます。今年は暖かい気温もあって、例年になく年明け感が無いお正月だったです。ビートのブログも昨年内には完結させる予定が、ずるずると…今年は計画的に更新していきたいです。

で、昨年の続きの現行の三代目黄ビートのモディファイを紹介します

ホイール/タイヤ交換

三代目は純正のスチールホイールがついてました。最近は純正で乗っている方も多く、いいかなとも思いましたが、やはりアルミはつけたいと思ってました。初代、二台目とビート専用サイズのエンケイ・コンペティションSを履いていたので、今回も装着したかったのですが、さすがに新品では売ってません。またビートは前が13インチ、後ろが14インチの為、入手しにくく、年代も古いため某オクでもなかなか状態の良いものはなかなか出品されません。てことで、新品ホイールを探したのですが、最近の軽自動車も14インチ以上が主流で、タイヤサイズの変更(いわゆるインチアップ)なしでは、なかなかサイズとデザインが合いません。ネットで探し回った結果、RAYS A LAPがビートサイズを準備している事が判明。色がマットブロンズしか選べないことを除けば、デザインも気に入り、鋳造1ピースの割には軽量で、国内生産の割にお値段もリーズナブルで、迷わず決定。タイヤはBSのエコピアで純正同サイズ。気になっていた色も黄色に割とマッチして気に入ってます。

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ホイールの汚れもあまり目立たないので、いい色だなあと今は思ってます。13インチサイズは、ほぼビートのフロント用のディメンジョンですが、6Jサイズの為純正サイズを入れるとタイヤサイドが張ります。見事にツライチになりますが、フロントは、ちょっとだけはみ出ます。車検の際はご注意を。

足回りのリフレッシュ(サスペンション交換)

サスもノーマルだったのですが、サスが底突きした際に”ガシャン”と音が聞こえるぐらい、ショックがひどく、バンプラバーが劣化していると想定。まずはサスペンションをメンテすることに。

①まだ7万キロなので、純正サスを部品発注で交換し取り換え

②ついてるサスをリビルド(オーバーホールしてバンプラバー他内部部品を交換)

③社外品に交換

①はまだ部品が出そうでしたが、それなりの価格になりそうなので、③と比較してから。②は純正がオーバーホール不可の構造で、サスオイル交換も穴を開けて行うらしく、価格は安かったものの耐久性が心配なので却下。③はローダウンもできますが、入手できるかが問題。第一候補のビート20周年記念のモデューロ製は在庫なし。二台目の時と同じタナベ+KYB NewSRのセットは入手可能でしたが、変えたい気持ちもまり、無限のサスが在庫ありと確認できたので、無限で交換することにしました。ネットで購入し、DIYで取り付け。構造がシンプルで部品も軽いので、一人でサス交換できちゃうのは、軽自動車の良いところです。純正マイナス2cmの微妙なローダウンは良いのですが、発売当時から無限サスはストロークが少なく、固いと評判でしたが、評判通り固め。走ってると少しマシになってくるので、冷間時の動きが固いんでしょうね。ただ、突き上げ時の”ガシャン”は音が小さくなったものの、まだしている状態。

足回りのリフレッシュ(ブッシュ交換)

サスをDIYで交換した際に、ブッシュ類も目視確認し、そんなに劣化した感じはなかったので後回しにしたのですが、足回りの異音は何とかしたかったので、ブッシュ類一式を交換することに。HONDAからパーツもまだ供給されてるのを確認し、購入した中古車店で純正パーツ発注(フロント/リアの一式で3万弱ぐらいだっと思う…)。マルチリンクやダブルウィッシュボーン形式のサスだとブッシュの数も多く大変ですが、ビートはシンプルなので、経験値を上げるのと工賃節約のために、DIYで交換することに。ブッシュはゴムの塊でアームや車体へ圧入されてるので、古いブッシュの抜き取りや、再圧入には、プレスやプーラーといった工具が必要になります。ビートは殆どがはめ込みや差し込みですが、圧入部が数か所あり、先人たちのHPを参考に格安プーラーと自作SSTでなんとか脱着し、二日ぐらいかけて全交換しました。圧入はコツもあり苦労したので、腕に自信がない方は、ディーラーに任せた方がいいです。交換後は突き上げ時の異音も無くなり、何故かハンドルも軽くなりました。サスペンション交換よりも、はるかに違いが分かるので、ブッシュ交換はコスパ的にも本当におススメです。やっぱり、ゴムや樹脂部分は、走行距離よりも経年劣化が進むことがよくわかりました。アライメント調整はサス・ブッシュ交換後に行ってないので、調整しないと。今のところおかしな挙動とか、タイヤの片減りとかは無いので大丈夫だとは思いますが。

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ああ今回も終わらなかった…次回に続く

 

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(4)三代目黄ビート(その①)

三代目といってもランニングマンの人たちではなく、私の三台目のビートの話です。ブログでも紹介したように、初代は新車で銀色ビート、二台目は中古で黄ビート、三台目は一昨年に中古で購入。人生で同じ車を三回も購入するハメになるとは思いませんでした。二台目まではファーストカーでしたが、今回はセカンドカーなのでビート最大のネックである実用性のなさからは解放されたので、趣味や気分転換用に長く維持していきたいと思っています。今回は私の現行ビートを紹介します

買ったときの状態

ネットの中古車サイトで黄色、10万キロ以下の条件で状態のよさそうなビートを検索。たまたま沼津の実家近くの中古車店で発見、ビートには慣れているお店で、近所ということもあり購入しました。エアロや駆動系他カスタムされてない純正そのままで、6.8万キロ、リペイント、エアコン稼働、タイミングベルト/デストリビュータ関連は交換、幌とリアスクリーンは新品、CPUはリビルド済です。ビートの中古は、ある程度レストア、メンテされたタマと、不具合そのままの現状渡しのタマとに大きく分かれますが、どちらにしても20数年経過したクルマですので、そこそこ手を入れていく必要はあります。自分が手を入れたかったので、ちょうどよいタマでした。

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まずはステレオ

ビートは社内騒音もひどく、ステレオにお金をかけても仕方ないのですが、それでも音楽を聴きながらドライブする癖があるので、私にとってはステレオは必須。純正のスカイサウンドがついてましたが、カセットなのとスイッチの一部が反応しないため交換。といえば簡単そうですが、ビート乗りにとってはステレオの設置は重要かつ困難な問題。純正のステレオは車室のスペース確保のため幅がDIN規格ではなく、一般に売られているカーステは幅が広く交換で入りません。対策としては

①純正位置に設置できるコンソールキットを購入する

②助手席のグローブボックスを外し、そこに工夫して設置する

①は車体側の構造部材をカットする必要があるのと、キットが高価な上、純正の雰囲気がなくなるので却下。②は二台目のビートの時に実施したのでノウハウはあったのですが、当時はCD/MDの2DINステレオを収める必要があったのでやむなくその場所にしたのですが、今回はすべてメモリーオーディオにするので、グローブボックスは温存することにしました。最近のカーステはCD/DVDレスでメモリーオーディオ/ラジオのみのモデルも多く、メカレスの為奥行きが10cmちょっとしかないことが判明。1DINでこの奥行きであれば、狭い助手席ダッシュボード上にも設置できるの(CD付きになると15cmになり、ダッシュボードは厳しい)で、DIYにてチャレンジすることにしました。本体はKenwoodのU383MS(定価8000円!!)に決定。問題はフロントガラス越しに外からも見える位置なので、むき出しでは非常に格好が悪い。製品としても、ダッシュボード上の取り付けキットは無く困っていたところ、なにやら良さげなカバーをネットで発見。昔のダイハツムーブにオプションで1DINのナビ(モニタ-が出てきて、せりあがるやつ)のオプションがあったらしく、コンソール上に設置した時の後付けカバーが某オークションに出ていました。数百円で入手し、現物合わせで何とかすることに決定。車体側とカーステと接続するハーネスは二台目のを流用。ついでにカー用品店で安売りしてたツイーターと錆びていた純正スピーカーを交換し、ムーブ用のカバーの加工や、ダッシュボード上へ固定金具の取り付けに苦労しましたが、何とか設置。ダッシュボードとの色味とカバーのマッチしていて気に入ってます。二年間乗ってますが大きな問題はありません。フロントのすき間埋めのパネルはまだ未作成。早く作らねば…

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ちなみに純正ステレオのスペースは、100均の物入れを加工し、内側はフェルトを張って、小物入れに改造。ペットボトルも入るので、結構便利になりました。ナビはシビックタイプRのを新品にして流用。ほとんどリモコンで操作するので、ステレオまで遠くても気にならないですし、低背のUSBメモリなので外観もすっきりしてます。CDやカセットだった時と比較して、メモリオーディオは音飛びも無く、狭い車内にCDを持ち込まなくてすむのでビートにはぴったりです。カーステの価格も、1万円を切っていて、昔ウン万をカーステにかけていた自分にとっては隔世の感があります。いまや、コンソールにiPadを置ける車もある時代。昔ながらのカーステもどんどんなくなっていくんだろうなと思います。

その他のモディファイ内容は次回に続きます。

 

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(3)-②S660が出たのに、あえてビートを購入する方への続き

さて、前回の続きです。

④幌と雨漏り リアスクリーンはビニールの為、経年劣化や洗車キズで曇って見えなくなります。リアだけ交換できますが、純正以外のガラススクリーンに交換してあるタマも多いです。が、雨漏りについては、程度はともあれ、もれなくついてきます。幌の骨組み、窓ゴムのへたりやキズ、サイドウィンドウの建付け等々で漏れるので、幌を新品にしても雨漏りは直りません。幌に破れやほつれがある場合は、直した方が良いですが、雨漏りはまず幌骨組みとサイドウィンドウの立てつけを、ビートに慣れている業者に調整してもらった方が確実です。幌回りは素人が手を出すとほぼ失敗しますので、プロにお任せしましょう。雨漏りは当然、錆の発生原因になるので、屋根付き駐車場がベスト。屋外保管の場合は、カバー等をかけておいた方がいいでしょう。

⑤内装、装備 内装と装備は劣化が進んでいるものが殆どです。ドアライニングの色あせ、シートの破れ/ほつれ/クッション抜け(運転席ドア側の出っ張り部分は破れ箇所の定番)純正ステレオの故障、エアコンノブの破損、エアコン吹き出し口の爪破損による落下、エアコンからの異臭、メータ照明切れ、オドメータボタンのひっかかり、パワーウィンドウスイッチの劣化等々どこかは壊れてる、これから壊れると覚悟しておいた方がいいです。修理方法等は他のHPに任せますが、そもそもコンフォートなクルマではないので、あきらめるというのが、お金もかからない良い修理方法です。私のビートでも、内装の樹脂部品(内張りピンとかネジ座受とか)はペキペキ折れ、ボロボロ崩れ落ちているので、ドアノブとかの機能部品で割れたらどうしようかと思ってます。ステレオは専用品でないと入らないので、修理かリビルド品の交換になります。標準のステレオを搭載する方法はいろいろありますが、私の場合は次回のブログで。

⑥足回り 走り重視でショック等を社外品に交換してあるタマも多いと思いますが、なるべく純正ショックのままのやつを選んだ方が良いです。サスストロークが少ない車なので、足を固めた場合フルバンプ時のボディへのダメージが純正よりも多く蓄積されていると思われます。走行距離に関わらず、サスペンションのブッシュとバンプラバーの交換予算は見ておいた方が良いです。私のビートも、購入時65000Kmでしたが、ゴムブッシュ関係は劣化で全滅。購入時は「台車の乗り心地」でした。昨年時点で、すべての純正ブッシュが入手可能でしたので、未交換であれば、早めに交換しておいた方が良いです。タイヤはフロントが13インチなので、アルミホイールも含めて選択肢は限られつつあります。最近はエコタイヤが殆どですが、当時の純正タイヤ(POTENZA)と同じぐらいグリップはあるので、あまり気にしなくてもよいです。

⑦その他 リアウィング、リアキャリアは純正オプションの中でも人気でした。リアキャリアはトランクリッドに穴を開けてのボルト留めなので、気に入らないからと、キャリアを外すとボルトが残ります。1台目、2台目にはついてましたが、リアキャリアに荷物積むと、雨が降れば濡れるし、後方視界はなくなるし、何より今思えば貧乏くさいです。エアロ関係も、まだパーツ販売があるので、無限エアロ付きとかもプレミアにはならないかと(ハードトップは別ですが)。ビート20周年の時に、ホンダアクセスからスポーツサスペンション、スカイサウンドコンポ等が限定販売されました(現在は完売)。ステレオは大抵壊れてますし、直してもカセットテープなので、USBオーディオが使えるスカイサウンドが装着されていればラッキーです。

そこそこのビートを買うためのまとめ ・まずはボディ状態。走行系はまだ修理で何とかなるので、年式や走行距離にこだわらず、錆や事故修復歴等のボディ状態が良いものを選ぶ。ボディ状態がいいものは保管状態も良いはず。 ・低走行距離車やデットストックのプレミアムは期待しない。走行距離に関わらず、樹脂やゴムの経年劣化は進む。むしろ不動状態が長い車は別のトラブルの原因になる。実用性がほとんどなくセカンドカーの可能性が高く、過走行のタマでも長期間不動だったケースもあるので、直前の履歴が分かるタマがよい ・雨漏り、内装の劣化、走行に関係しない装備のトラブルはあきらめが肝心 もう数年もすれば、ネオヒストリックカーの部類に入ってくるので、これから購入するなら、チューニング方向よりも、維持/メンテナンスをしながら乗り続ける工夫に重点を置くことになります。それでも、30万ぐらいのタマを買って、20万ぐらい気になるところに手を入れれば、まだ元気だったころのホンダスポーツ(の感じ)を味わえますし、200ウン十万払ってS660を買うより2倍くらいは楽しめるはずです(たぶん) DSCN3099_009

ご参考までに、S2000とビートを所有した私がとっても同感した記事を紹介しておきます

S2000オーナーのビート試乗記。震えるぞハート、燃え尽きるほどビート!

激しく同意。次回はMyビート紹介なるか!

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(3)S660が出たのに、あえてビートを購入する方へ

今回は、いまさらビートを購入したい方へ失敗しないポイントです

ビートは生産終了から20年以上経過してますので当然中古車での購入です。中古車市場でもまだそこそこタマがあり、販売価格も最低ラインが15万~、フルレストア車やデッドストックと思われる低走行車で100万以上のものもあります。新車時で138.8万円(エアバッグなし)だったので、それ以上の価格がついているものは何らかのプレミアムがついているケースが多いでしょう。年式は圧倒的に発売年度の平成3年登録が多く、カラーはカーニバルイエローが最も多いはずです(今の人気は白らしいですが)なにせ高年式の個体は存在しませんから、状態もバラバラで、普通の中古車と違って、年式や走行距離と価格がリンクしてません。また購入後も、それなりに手がかかるので、この記事を読んで、自信がなくなった方は、迷わずS660を買いましょう。それでもビートがほしいという方は、下記を参考にしてください。

①ボディの状態 個人的な考えとしては、年式/走行距離よりも、ボディが重要です。エンジンや足回りは最悪交換ができますが、ボディはそうはいきません。特にサイドシル(下の写真の黒丸部分)の溶接ポイントは錆びの原因となり、多くのビートを廃車にしてきました。ボディ後部のエアーインテークから入った雨水がサイドシル内に溜り、錆が内部から発生します。経年によるボディ下部の水抜き穴の詰まりが遠因と言われてますが、この部分はストレスがかかる場所の為、二重構造になっているため、水分が抜けにくい構造にもなっているので、錆びた場合の修復も難しいと聞いてます。 DSCN3137_020

日本の駐車場事情からして、屋根付きガレージに入っていた個体は少なかったでしょうから、よほど素性が分かる車でない限りは、程度の大小はあっても錆は出ていると思います。ワンオーナー車やオールペイント済の個体でもここに錆が浮いているクルマは露天駐車歴が長いと思われ、購入後の寿命も長くはありません。錆については、トランクのステーの付け根や、燃料口とか、サイドシルと同様に水抜けが悪い場所に発生しがちです。後述する幌からの水漏れから、座席シートレール等も錆やすい箇所と言えます。また一応スポーツカーですので、事故歴がある個体も混ざっていると思います。錆がなければ同時代の軽自動車に比較して、頑丈なシャシーなので、2台目のビートは、左側をほとんど板金で治しましたが、走行には問題ありませんでした。おススメはしませんが、走行に問題ない範囲の事故歴で修復が確実で、低走行距離でそこそこ低価格であれば、ねらい目かもしれません。もし長く所持するつもりで購入するのであれば、ワンオーナーであれば、保管場所の状態(屋根があったかどうか?)を確認できれば、心配ないと思います。

②ドライブトレーン MTは運転者の乗り方の上手下手でヘタリが早くなるので、一概に言えませんが、ミッションは耐久性があり、クラッチも丈夫な方だと思います。試乗してシフトのヌケや引っ掛かりが激しくなければ、問題ないです。過去3台ともレリーズベアリングの異音は出ましたので、弱いといえば弱いかもしれません。現在のビートは、購入時に2→3速へのチェンジ時に引っ掛かりがありましたが、MTFを交換して直りました。ドライブシャフトの部品欠品等々が聞こえてきてますが、逆に、これまで大きなトラブルが話題に出てない箇所なだけに、経年変化でのドライブトレーン周りのトラブルが、これから出てくる可能性は高いと思ってます。

③エンジン ビート専用パーツもありますが、基本的には現行バモスにも使われているE07Aエンジンなので、頑丈なエンジンです。とはいえ高回転で酷使されていますので、少なくともオイル管理をきちんとされていた個体がおススメです。タイミングベルトの寿命が短いのと、ディストリビュータの固着が有名ですが、有名過ぎて大抵の業者は納車前整備でやってくれるか、交換を勧められます。20万キロぐらいになると、ヘッド回りやピストン回りといった、通常のエンジンでもオーバーホール等手を入れる必要が出てくる時期になるので、これからはリビルドエンジンに換装した個体が多くなるかもしれませんね。オーバーサイズピストンなんかの純正部品欠品しつつあるようですが、最悪ワンオフでも作ってもらえますし、こだわらなければ、普通のE07Aのパーツはまだ豊富にあるのでエンジンについてはあまり心配していないです。

④電装品 電装品は、エンジンを高回転で回したのはいいのですが、補器類が普通の軽の補器類なのでしわ寄せがきてる箇所でトラブルが発生しやすいうえに、経年劣化が一番先に来る部分です。特にエアコンは設計上、配管が長く、コンプレッサークラッチ、エバポレータ等トラブルが出ます。修理すれば10万円以上は軽くかかります。その上エアコンのクラッチが壊れると、運転席のエンジン冷却用の電動ファンのヒューズが飛んで、エンジンがオーバーヒートするビックリ仕様。走行中にエアコンにトラブルが出た場合は、すぐ車を止めましょう。ECUやメインリレーについては、熱が厳しいからと移設される方もいますが、私は問題ないと思います。夏場はどこにおいてもビートは暑いです(笑)単純な経年劣化によるコンデンサーのパンクや、はんだ剥がれが原因なので、修理すればよい話です。

以下続く

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(2)

前回に書いた通り、ビートは純粋なスポーツカーとは言えないものの、ハマる方にはばっちりハマる不思議な魅力を持っています。すでに20年以上が経過してますが、これからさらに年が経ってもホンダの一連のTypeR、R32スカイライン、ランエボ、インプ、とうふ屋サンの車といった名車の仲間入りができるかどうかは微妙なところでしょう。

今の車に比べれば、乗り味や装備にプリミティブな部分もあり、そろそろ部品供給が厳しくなってくることを考えると、ここ数年が安価に中古で乗れる最後になるかもしれません。まあ選択肢としては、新車でS660もコペンも出てますし、アルトワークスも復活するそうなので、無理してビートに乗る必要はないんですけどね。 それでもビートに乗りたいあなたに、タイトルにもつけた、ビートのダメダメなポイントをお教えします。

(1)遅い

スポーツカーとして買うと、がっかりします。2回手放したのも、遅さに嫌気がさしたのが原因でした。パワーについては、しょせん軽ですし、自主規制もあるので仕方ないですが、オープンミッドシップで剛性を確保するために、車体が重いのが一番の理由かと。今の軽ハイトワゴンよりは軽くて早いですが、上り坂は厳しいですね。車高と座席が低いのと、背中でうなり続けるエンジン音で、実際のスピードより+20km/hぐらいに感じることはできます。はたから見てると遅いですが(笑)絶対的なスピードを求める方は、軽でもターボ付きを選んだほうがよいですね。

(2)壊れる

20年以上経っているので、経年劣化で壊れるのはあたりまえですが、ミッドシップや高回転エンジン等の制約からくる弱点は結構多いです。 エアコン/ディストリビュータ/タイミングベルト/ECU/メインリレー等々 詳細は他のビート乗りのホームページにお任せしますが、①ミッドシップの為エンジン冷却が厳しく、熱対策が十分ではなく劣化が早い②高回転エンジンではあるが、補器類は高回転に対応していないので劣化が早いの二つが大きな理由だと思ってます。エンジン回さないと、気持ちよく走れない車なので、ついつい回し気味の運転になり壊れる…悪循環になりますな。

(3)狭い

最近の軽はビックリするくらい広いですが、ビートは甘えを許さない狭さです。運転席を車体中央にオフセットしてるので、助手席はもっと狭いうえに、シートがリクライニングしません。デートには全く不向きです。後ろにトランクがありますが、テニスラケットは入りません(たぶん)私は助手席を外して引っ越ししたり、真冬にオープンにして、スキーに行く友達を、助手席にスキーを抱えさせて座らせ、駅まで送ったりしてましたが、車に求められる実用性を一台で済ますには全く耐えられません。せいぜいカップルで日帰り温泉か、1泊旅行がいいところでしょう。ところで、S660はトランクも座席の後ろ(ビートは幌を閉めれば、荷物が載せられる)も全くスペースが無いので、二人乗ると手荷物の置き場も無いのですが、どうするんですかね?

(4)暑い・熱い

夏は暑いです。トランクはエンジン熱がばっちり伝わるので、鮮魚とかチョコとかは入れないほうが良いでしょう。暑さはトラブルを誘発します。今年コンビニで買い物後、エンジンかからなくなる事件がありました。5分ぐらいほっておいたら直りましたが(笑) (5)漏れる オイルとか、冷却液とかは漏れません。雨が漏れます。幌とフロントとサイドのウィンドウが交わるところから、じんわりと、時には激しく雨漏りします。自宅はカーポートがあるので、雨の日に乗らなければすみますが、露天の駐車場に止めてあるビートはどうしているのか気になります。車内がビショビショになるだけならまだしも、錆びなければいいのですが… ATが無かったとか、タイヤが前後でサイズが異なるのでローテションできない、タイヤの買い替えが割高、シートがジャージ素材(大阪のおばちゃんが着そうなゼブラ柄)で破れやすい とかいろいろありますが、ここまで書いてみるとなんでビートに乗ってるかわからなくなってきました。それでも、ビート偏愛者はダメダメも合わせて愛してしまっているのです。

次回は、現在の私のビートの紹介とメンテナンスです。だんだん、みんカラになってきましたが…

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(1)

くるまマイスターの愛車遍歴にも書きましたが、これまでに私は3回ホンダビートを愛車にしています。どんな車かは、こちらを見ていただくとして、ホンダビートの魔力について書いてみたいと思います。

近頃ホンダから軽規格のスポーツカーS660が出ましたが、さかのぼること20数年前に同様のコンセプトでホンダから発売されたのが、BEAT(ビート)です。もっと前には同じ名前のスクーターがありましたが、車の方が後です。二輪と四輪で同じネーミングを使うのは、スズキのハスラーと同じですね。一台目は新車で乗りましたが、1991年の発売当時はアルトワークスやらミラTR-XXやら軽のパワー競争が激しかった時期で、安全面等への配慮から、ビートも本格的なスポーツカーとは名乗れず、”ミッドシップアミューズメント”という、遊園地の乗り物のようなキャッチフレーズと、マニアックすぎて、あんまり売れなかったスクーターの名前で発売されたのに違和感を感じたのを覚えてます。新車スクープ雑誌の予想では、S660が有力だったんですが…まあ、実力からすれば、S(エス)を名乗らなくてよかったなとは思います。

軽にしては非常に高価だったにもかかわらず、発売当初は生産が間に合わず1年以上の納車待ちになったりしましたが、実用性がほとんどない車ですので、需要が一巡したあとは、ぱったり売れなくなり、1996年の生産中止までの販売台数は、たしか3万3000台ぐらいだったと思います。同じようなコンセプトのカプチーノが2万6000台ぐらい、AZ-1が4000台ぐらいの販売台数(薄い記憶)だったので、今でも街で見かける機会を考えると、20年以上後のビートの残存率は高いのではないのでしょうか?(私のご近所でも、数台います)ホンダは比較的古い車の部品の供給を続けてくれるので、維持しやすいのもありますが、確実にビート偏愛者は一定数いるということでしょう。 そんな、ビート偏愛者の理由を私の独断と偏見でまとめてみました。

(1)スタイリング

いびつな軽規格の寸法の中で、フロントからリアに無駄なラインを入れずにまとめたスタイリングは、経年劣化しないスタイリングで、クラシックフェラーリの隣に並べても遜色ない。と思う。一説によれば、ピニンファリーナ案ともいわれてますが、前ヒンジで空くボンネットとか、サイドのエアインテークとか、スーパーカー世代の琴線をくすぐるデザイン。カラーは軽ナンバーの黄色が目立たないのと、小さくて車高が低く、周りの車から視認されにくいので、黄色が一番似合うと思ってます。唯一気に入らないのは、フロントデザインがあっさりしずぎていて、間延びしてる点。この時代の他のホンダ顔との共通性と軽の規格が原因なんだろうなぁ。

(2)エンジンとシフトフィール

トルクは低いが、気持ちよく8500回転まで回るSOHCの自然吸気エンジン(E07A)。3連スロットルや、オイルパンのエアフィンとHONDAの刻印、俊敏なスロットルレスポンス等バイクのエンジンを思わせる仕掛けが組み込まれている。シフトストロークは40mmでNSXと同じ。シフトチェンジの際、手首だけで決まる感触は、シフトを苦痛ではなく快楽に変えてくれる。E07Aはいいエンジンなんだが、DOHCだったらなぁと20年以上経ってもまだ、残念に思っているのも事実。やっぱり、HONDAはツインカムでないと…

(3)ミッドシップ

ミッドシップが素晴らしいかというと、そうでもない。室内は狭くなるし、熱いし、二人しか乗れない。ミッドシップがどれだけ貢献するかといえば、軽のパワーと車重なら、別にFFでもスポーツカーはできると思う。ビートは特に安定性に振った運動性なので、余計にそう思えます。端的に言えば、スーパーカーっぽいスタイリングを実現する以外は、まあ無駄なわけです。専用のシャーシ、2シータオープン、生産性の悪い幌、コストの縛り、メーカーからすれば開発者を鍛えるチャレンジですが、一般のユーザからすれば、あまり価値は無いわけです。ところが、偏愛者はそこに”萌える”んですな。ホンダスピリットとかいって。希少車ではないですが、成り立ちが特殊な車は偏愛者をひきつける何かがあります。

(4)低い車高と座面とオープン

車高も座面も、ほんとに低いです。ヒップポイント(地面と座面上端との距離)はS2000が375mm、S660が335mm、ビートは330mmです。ほとんどお尻が地面を滑っていく感じ。車高は、1175mmで隣にダンプが止まると、ダンプのタイヤより低いです(笑)幌を開け、低い運転席に座ると、もう非日常世界です。オープンにしても、盛大に風が入ることはないですが、季節が良い頃のオープンカーの爽快感は格別です。

(5)その他もろもろ

・ルームミラーがNSXと同じ部品

・本田宗一郎最後の4輪車

・軽自動車初のSRSエアバック装着(が選べた)

・運転席が25mmオフセットされてる(助手席が狭い)

・ステレオが車速連動で音量が変化した(うるさいから聞こえなくなるので(笑))

まあ、この辺は普通の方にはどうでもいい事ですが、偏愛ポイントに加算される内容ですな。エンツォ・フェラーリが最後に出した車がフェラーリF40に対して、本田宗一郎がビートって。まあ似合ってる気がしないでもないですが… とーっても素晴らしい車に思えますが、次回はビートのダメダメなポイントについてです。