遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(3)S660が出たのに、あえてビートを購入する方へ

今回は、いまさらビートを購入したい方へ失敗しないポイントです

ビートは生産終了から20年以上経過してますので当然中古車での購入です。中古車市場でもまだそこそこタマがあり、販売価格も最低ラインが15万~、フルレストア車やデッドストックと思われる低走行車で100万以上のものもあります。新車時で138.8万円(エアバッグなし)だったので、それ以上の価格がついているものは何らかのプレミアムがついているケースが多いでしょう。年式は圧倒的に発売年度の平成3年登録が多く、カラーはカーニバルイエローが最も多いはずです(今の人気は白らしいですが)なにせ高年式の個体は存在しませんから、状態もバラバラで、普通の中古車と違って、年式や走行距離と価格がリンクしてません。また購入後も、それなりに手がかかるので、この記事を読んで、自信がなくなった方は、迷わずS660を買いましょう。それでもビートがほしいという方は、下記を参考にしてください。

①ボディの状態 個人的な考えとしては、年式/走行距離よりも、ボディが重要です。エンジンや足回りは最悪交換ができますが、ボディはそうはいきません。特にサイドシル(下の写真の黒丸部分)の溶接ポイントは錆びの原因となり、多くのビートを廃車にしてきました。ボディ後部のエアーインテークから入った雨水がサイドシル内に溜り、錆が内部から発生します。経年によるボディ下部の水抜き穴の詰まりが遠因と言われてますが、この部分はストレスがかかる場所の為、二重構造になっているため、水分が抜けにくい構造にもなっているので、錆びた場合の修復も難しいと聞いてます。 DSCN3137_020

日本の駐車場事情からして、屋根付きガレージに入っていた個体は少なかったでしょうから、よほど素性が分かる車でない限りは、程度の大小はあっても錆は出ていると思います。ワンオーナー車やオールペイント済の個体でもここに錆が浮いているクルマは露天駐車歴が長いと思われ、購入後の寿命も長くはありません。錆については、トランクのステーの付け根や、燃料口とか、サイドシルと同様に水抜けが悪い場所に発生しがちです。後述する幌からの水漏れから、座席シートレール等も錆やすい箇所と言えます。また一応スポーツカーですので、事故歴がある個体も混ざっていると思います。錆がなければ同時代の軽自動車に比較して、頑丈なシャシーなので、2台目のビートは、左側をほとんど板金で治しましたが、走行には問題ありませんでした。おススメはしませんが、走行に問題ない範囲の事故歴で修復が確実で、低走行距離でそこそこ低価格であれば、ねらい目かもしれません。もし長く所持するつもりで購入するのであれば、ワンオーナーであれば、保管場所の状態(屋根があったかどうか?)を確認できれば、心配ないと思います。

②ドライブトレーン MTは運転者の乗り方の上手下手でヘタリが早くなるので、一概に言えませんが、ミッションは耐久性があり、クラッチも丈夫な方だと思います。試乗してシフトのヌケや引っ掛かりが激しくなければ、問題ないです。過去3台ともレリーズベアリングの異音は出ましたので、弱いといえば弱いかもしれません。現在のビートは、購入時に2→3速へのチェンジ時に引っ掛かりがありましたが、MTFを交換して直りました。ドライブシャフトの部品欠品等々が聞こえてきてますが、逆に、これまで大きなトラブルが話題に出てない箇所なだけに、経年変化でのドライブトレーン周りのトラブルが、これから出てくる可能性は高いと思ってます。

③エンジン ビート専用パーツもありますが、基本的には現行バモスにも使われているE07Aエンジンなので、頑丈なエンジンです。とはいえ高回転で酷使されていますので、少なくともオイル管理をきちんとされていた個体がおススメです。タイミングベルトの寿命が短いのと、ディストリビュータの固着が有名ですが、有名過ぎて大抵の業者は納車前整備でやってくれるか、交換を勧められます。20万キロぐらいになると、ヘッド回りやピストン回りといった、通常のエンジンでもオーバーホール等手を入れる必要が出てくる時期になるので、これからはリビルドエンジンに換装した個体が多くなるかもしれませんね。オーバーサイズピストンなんかの純正部品欠品しつつあるようですが、最悪ワンオフでも作ってもらえますし、こだわらなければ、普通のE07Aのパーツはまだ豊富にあるのでエンジンについてはあまり心配していないです。

④電装品 電装品は、エンジンを高回転で回したのはいいのですが、補器類が普通の軽の補器類なのでしわ寄せがきてる箇所でトラブルが発生しやすいうえに、経年劣化が一番先に来る部分です。特にエアコンは設計上、配管が長く、コンプレッサークラッチ、エバポレータ等トラブルが出ます。修理すれば10万円以上は軽くかかります。その上エアコンのクラッチが壊れると、運転席のエンジン冷却用の電動ファンのヒューズが飛んで、エンジンがオーバーヒートするビックリ仕様。走行中にエアコンにトラブルが出た場合は、すぐ車を止めましょう。ECUやメインリレーについては、熱が厳しいからと移設される方もいますが、私は問題ないと思います。夏場はどこにおいてもビートは暑いです(笑)単純な経年劣化によるコンデンサーのパンクや、はんだ剥がれが原因なので、修理すればよい話です。

以下続く

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