遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(3)-②S660が出たのに、あえてビートを購入する方への続き

さて、前回の続きです。

④幌と雨漏り リアスクリーンはビニールの為、経年劣化や洗車キズで曇って見えなくなります。リアだけ交換できますが、純正以外のガラススクリーンに交換してあるタマも多いです。が、雨漏りについては、程度はともあれ、もれなくついてきます。幌の骨組み、窓ゴムのへたりやキズ、サイドウィンドウの建付け等々で漏れるので、幌を新品にしても雨漏りは直りません。幌に破れやほつれがある場合は、直した方が良いですが、雨漏りはまず幌骨組みとサイドウィンドウの立てつけを、ビートに慣れている業者に調整してもらった方が確実です。幌回りは素人が手を出すとほぼ失敗しますので、プロにお任せしましょう。雨漏りは当然、錆の発生原因になるので、屋根付き駐車場がベスト。屋外保管の場合は、カバー等をかけておいた方がいいでしょう。

⑤内装、装備 内装と装備は劣化が進んでいるものが殆どです。ドアライニングの色あせ、シートの破れ/ほつれ/クッション抜け(運転席ドア側の出っ張り部分は破れ箇所の定番)純正ステレオの故障、エアコンノブの破損、エアコン吹き出し口の爪破損による落下、エアコンからの異臭、メータ照明切れ、オドメータボタンのひっかかり、パワーウィンドウスイッチの劣化等々どこかは壊れてる、これから壊れると覚悟しておいた方がいいです。修理方法等は他のHPに任せますが、そもそもコンフォートなクルマではないので、あきらめるというのが、お金もかからない良い修理方法です。私のビートでも、内装の樹脂部品(内張りピンとかネジ座受とか)はペキペキ折れ、ボロボロ崩れ落ちているので、ドアノブとかの機能部品で割れたらどうしようかと思ってます。ステレオは専用品でないと入らないので、修理かリビルド品の交換になります。標準のステレオを搭載する方法はいろいろありますが、私の場合は次回のブログで。

⑥足回り 走り重視でショック等を社外品に交換してあるタマも多いと思いますが、なるべく純正ショックのままのやつを選んだ方が良いです。サスストロークが少ない車なので、足を固めた場合フルバンプ時のボディへのダメージが純正よりも多く蓄積されていると思われます。走行距離に関わらず、サスペンションのブッシュとバンプラバーの交換予算は見ておいた方が良いです。私のビートも、購入時65000Kmでしたが、ゴムブッシュ関係は劣化で全滅。購入時は「台車の乗り心地」でした。昨年時点で、すべての純正ブッシュが入手可能でしたので、未交換であれば、早めに交換しておいた方が良いです。タイヤはフロントが13インチなので、アルミホイールも含めて選択肢は限られつつあります。最近はエコタイヤが殆どですが、当時の純正タイヤ(POTENZA)と同じぐらいグリップはあるので、あまり気にしなくてもよいです。

⑦その他 リアウィング、リアキャリアは純正オプションの中でも人気でした。リアキャリアはトランクリッドに穴を開けてのボルト留めなので、気に入らないからと、キャリアを外すとボルトが残ります。1台目、2台目にはついてましたが、リアキャリアに荷物積むと、雨が降れば濡れるし、後方視界はなくなるし、何より今思えば貧乏くさいです。エアロ関係も、まだパーツ販売があるので、無限エアロ付きとかもプレミアにはならないかと(ハードトップは別ですが)。ビート20周年の時に、ホンダアクセスからスポーツサスペンション、スカイサウンドコンポ等が限定販売されました(現在は完売)。ステレオは大抵壊れてますし、直してもカセットテープなので、USBオーディオが使えるスカイサウンドが装着されていればラッキーです。

そこそこのビートを買うためのまとめ ・まずはボディ状態。走行系はまだ修理で何とかなるので、年式や走行距離にこだわらず、錆や事故修復歴等のボディ状態が良いものを選ぶ。ボディ状態がいいものは保管状態も良いはず。 ・低走行距離車やデットストックのプレミアムは期待しない。走行距離に関わらず、樹脂やゴムの経年劣化は進む。むしろ不動状態が長い車は別のトラブルの原因になる。実用性がほとんどなくセカンドカーの可能性が高く、過走行のタマでも長期間不動だったケースもあるので、直前の履歴が分かるタマがよい ・雨漏り、内装の劣化、走行に関係しない装備のトラブルはあきらめが肝心 もう数年もすれば、ネオヒストリックカーの部類に入ってくるので、これから購入するなら、チューニング方向よりも、維持/メンテナンスをしながら乗り続ける工夫に重点を置くことになります。それでも、30万ぐらいのタマを買って、20万ぐらい気になるところに手を入れれば、まだ元気だったころのホンダスポーツ(の感じ)を味わえますし、200ウン十万払ってS660を買うより2倍くらいは楽しめるはずです(たぶん) DSCN3099_009

ご参考までに、S2000とビートを所有した私がとっても同感した記事を紹介しておきます

S2000オーナーのビート試乗記。震えるぞハート、燃え尽きるほどビート!

激しく同意。次回はMyビート紹介なるか!

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(3)S660が出たのに、あえてビートを購入する方へ

今回は、いまさらビートを購入したい方へ失敗しないポイントです

ビートは生産終了から20年以上経過してますので当然中古車での購入です。中古車市場でもまだそこそこタマがあり、販売価格も最低ラインが15万~、フルレストア車やデッドストックと思われる低走行車で100万以上のものもあります。新車時で138.8万円(エアバッグなし)だったので、それ以上の価格がついているものは何らかのプレミアムがついているケースが多いでしょう。年式は圧倒的に発売年度の平成3年登録が多く、カラーはカーニバルイエローが最も多いはずです(今の人気は白らしいですが)なにせ高年式の個体は存在しませんから、状態もバラバラで、普通の中古車と違って、年式や走行距離と価格がリンクしてません。また購入後も、それなりに手がかかるので、この記事を読んで、自信がなくなった方は、迷わずS660を買いましょう。それでもビートがほしいという方は、下記を参考にしてください。

①ボディの状態 個人的な考えとしては、年式/走行距離よりも、ボディが重要です。エンジンや足回りは最悪交換ができますが、ボディはそうはいきません。特にサイドシル(下の写真の黒丸部分)の溶接ポイントは錆びの原因となり、多くのビートを廃車にしてきました。ボディ後部のエアーインテークから入った雨水がサイドシル内に溜り、錆が内部から発生します。経年によるボディ下部の水抜き穴の詰まりが遠因と言われてますが、この部分はストレスがかかる場所の為、二重構造になっているため、水分が抜けにくい構造にもなっているので、錆びた場合の修復も難しいと聞いてます。 DSCN3137_020

日本の駐車場事情からして、屋根付きガレージに入っていた個体は少なかったでしょうから、よほど素性が分かる車でない限りは、程度の大小はあっても錆は出ていると思います。ワンオーナー車やオールペイント済の個体でもここに錆が浮いているクルマは露天駐車歴が長いと思われ、購入後の寿命も長くはありません。錆については、トランクのステーの付け根や、燃料口とか、サイドシルと同様に水抜けが悪い場所に発生しがちです。後述する幌からの水漏れから、座席シートレール等も錆やすい箇所と言えます。また一応スポーツカーですので、事故歴がある個体も混ざっていると思います。錆がなければ同時代の軽自動車に比較して、頑丈なシャシーなので、2台目のビートは、左側をほとんど板金で治しましたが、走行には問題ありませんでした。おススメはしませんが、走行に問題ない範囲の事故歴で修復が確実で、低走行距離でそこそこ低価格であれば、ねらい目かもしれません。もし長く所持するつもりで購入するのであれば、ワンオーナーであれば、保管場所の状態(屋根があったかどうか?)を確認できれば、心配ないと思います。

②ドライブトレーン MTは運転者の乗り方の上手下手でヘタリが早くなるので、一概に言えませんが、ミッションは耐久性があり、クラッチも丈夫な方だと思います。試乗してシフトのヌケや引っ掛かりが激しくなければ、問題ないです。過去3台ともレリーズベアリングの異音は出ましたので、弱いといえば弱いかもしれません。現在のビートは、購入時に2→3速へのチェンジ時に引っ掛かりがありましたが、MTFを交換して直りました。ドライブシャフトの部品欠品等々が聞こえてきてますが、逆に、これまで大きなトラブルが話題に出てない箇所なだけに、経年変化でのドライブトレーン周りのトラブルが、これから出てくる可能性は高いと思ってます。

③エンジン ビート専用パーツもありますが、基本的には現行バモスにも使われているE07Aエンジンなので、頑丈なエンジンです。とはいえ高回転で酷使されていますので、少なくともオイル管理をきちんとされていた個体がおススメです。タイミングベルトの寿命が短いのと、ディストリビュータの固着が有名ですが、有名過ぎて大抵の業者は納車前整備でやってくれるか、交換を勧められます。20万キロぐらいになると、ヘッド回りやピストン回りといった、通常のエンジンでもオーバーホール等手を入れる必要が出てくる時期になるので、これからはリビルドエンジンに換装した個体が多くなるかもしれませんね。オーバーサイズピストンなんかの純正部品欠品しつつあるようですが、最悪ワンオフでも作ってもらえますし、こだわらなければ、普通のE07Aのパーツはまだ豊富にあるのでエンジンについてはあまり心配していないです。

④電装品 電装品は、エンジンを高回転で回したのはいいのですが、補器類が普通の軽の補器類なのでしわ寄せがきてる箇所でトラブルが発生しやすいうえに、経年劣化が一番先に来る部分です。特にエアコンは設計上、配管が長く、コンプレッサークラッチ、エバポレータ等トラブルが出ます。修理すれば10万円以上は軽くかかります。その上エアコンのクラッチが壊れると、運転席のエンジン冷却用の電動ファンのヒューズが飛んで、エンジンがオーバーヒートするビックリ仕様。走行中にエアコンにトラブルが出た場合は、すぐ車を止めましょう。ECUやメインリレーについては、熱が厳しいからと移設される方もいますが、私は問題ないと思います。夏場はどこにおいてもビートは暑いです(笑)単純な経年劣化によるコンデンサーのパンクや、はんだ剥がれが原因なので、修理すればよい話です。

以下続く

プレゼン必勝法!(4)成功するプレゼン発表は、ここが違う!

さて、プレゼンの発表本番ではどんなことに気を付けたらよいでしょうか?あまり出来の良くないプレゼン資料でも、発表で何となく説得されてしまったり、よくわかるスライドなのに、発表がさえないばっかりに、印象が最悪になるケースも多々あります。発表の際に気を付けるポイントをまとめてみました。
 
1.万全の準備をする
スライドに合わせたスピーチ原稿を作成し、与えられた時間内で収まるよう、リハーサルを実施しましょう。2回目で説明したプレゼン全体のストーリーも大事ですし、スライド単位でメリハリのきいた時間配分も必要になります。リハーサルでは、相手役も置いて、自分のプレゼンの印象を聞いたり、修正を行うことも有効です。
また、当日使用する機器や環境(PC、プロジェクター、USBメモリ、マイクの有無、通信環境等々)も確認し、不具合があった場合も想定して準備をしておきましょう。一番多いのはお客様先のプロジェクターに自分のPCが接続できないといったケースです。大事なプレゼン時間を失うばかりか、よっぽど心の広いお客様でなければ心象も悪いです。(私はお客様側にプロジェクターがある場合でも、予備に自社のプロジェクターを持っていくようにしていました。)
 
2.最初に確認する 時間配分が決まっている場合は不要ですが、全体の流れを最初に説明します。自己紹介や挨拶の後、「プレゼン時間をXX分、質疑応答は全体ご説明後にお時間をとらせていただきます」と伝えておけば、相手は時間の都合を調整でき、発表途中で質疑が出て、説明を遮られることがありません。
また、内容の説明においても、「これから、本件における最重要ポイントをお伝えします」といったように、これから話す内容を先に伝えておくと、相手は聞く負担を減らすために、無意識に聞く準備をします。全体の流れの中で、こういった予告のフレーズを、はめ込んでいくと良いでしょう。
 
3.脱線しない スピーチに自信がある方ほど、余計な話しをする方が多いのではないでしょうか。ついつい「おしゃべりが過ぎる」と、伝えたい内容が埋もれてしまいます。また、”立て板に水”でしゃべれる方は、言葉のつなぎも上手なので、 一文が長くなりがちです。簡潔で、文章をなるべく短く区切っていったほうが、相手は聞きやすく、理解もしてもらえます。
 
4.メリハリをつける まるでお経のような単調な発表は、聴く側の眠気を誘います。最も伝えたい内容の部分では、話すスピードをゆっくりにしたり、前後に間を取るといった意識的な話し方は、相手が聞きやすく、理解がしやすくなります。発表途中で詰まってしまい、会場がシーンとなった方も多いでしょう。間は発表者にとっては恐怖ですが、意図的に上手に間を取れれば、相手は(どうしたんだ?)と発表者に集中し、興味を引く効果があります。声のトーンや、大きさもポイントによって変化させると、相手が寝てしまうことはないでしょう。
 
5.具体的に話す 第3回にも説明しましたが、グラフや表を多用したスライドを上手に使って数字、データを相手に伝え、相手の記憶に残すことが重要です。曖昧な表現や、抽象的な話は避けましょう。説明が難しい箇所についてはたとえ話や、メタファーを使用すれば、相手がより具体的に想起、理解できるようになります。
 
6.パフォーマンスはマイナスイメージを持たれないように
パフォーマンスといっても、一芸を披露する必要はありません。発表態度のことです。姿勢は背筋を伸ばし胸を張り、前を向くこと。緊張のせいか無表情なプレゼンが多いですが、真剣さを失わない程度の笑顔は好印象になります。視線は相手、多人数の場合はまんべんなく配るようにしますが、キーマンには重要なポイント等でアイコンタクトをとることも有効でしょう。ボディランゲージは書くことが難しいですが、発表者の熱意や一生懸命さを伝えるには、織り交ぜたほうが良いと思います。レーザーポインターや指示棒を振り回さないように気を付けてください。
 
7.きちんと終了させる
最後に、全体の要点を簡潔にまとめ、プレゼンを通じてお願いしたい事を念押しし、終了するようにします。内容が良くても、フェードアウトで終了すると、相手は(結局なんだったけ?)で終わってしまいます。
 
8. 質疑応答へは誠実に対応する
自分で万全の準備をし、自信のあるプレゼンであれば、答えられない質問はないと思います。簡単な質問にも答えられない場合はプレゼンの内容そのもの欠陥や、発表者自身が内容を理解していないケースが殆どです。完璧なプランとはいえ、機転の利いた回答をその場で行う点で苦手な方も多いかと思います。想定質問と回答を準備しておく、リハーサルの際に想定質問を他の人にしてもらう等の準備はできますが、それでも即応できない質問が来ることもあります。そのような場合は、「ただいまのご質問は、XXXXXといった事でよろしいですか?」と相手の質問を繰り返し時間稼ぎをすることで、頭の中で、質問内容の整理と回答への準備ができます。それでも、その場で回答できない場合は、お詫びを述べたうえ、「XXまでにXXにてご回答いたします」と回答の期限と手段を伝えましょう。質疑応答は、相手にとっては、要求が満たされているかの確認、発表側の実力を確かめる事ができ、発表側にとっては、相手の興味がどれだけ深いかを知ることのできる山場でもあります。また質疑応答で質問が出ないプレゼンは、失敗といってもいいでしょう。
 
プレゼン発表は一発勝負であることが、緊張を高めます。場数を踏んで成功と失敗の経験を積んで、自分のプレゼンはこうしたいというイメージを持つことが大事です。セミナー等で他人のプレゼンに触れる機会を多くしたり、TV番組の司会者のトークのテクニックや、立ち振る舞いを参考にしたりするのも効果があります。最近はEテレでプレゼンテーションそのものの番組を放送したりしてます。
 
発表は苦手、人前で話すと緊張する、できることならやりたくない。でもプレゼンはうまくなりたい。と考えている方は、是非Plumsにご相談ください。

図説 世界の「最悪」クルマ大全 を読んで、VW問題を思う

今回は、立ち読みで気になっていたものの、前からじっくり読みたいなと思っていた本を最近読んだので、その感想を。予告したビートの三回目は今度書きます。 図説 世界の「最悪」クルマ大全 クレイグ・チータム(著)川上完(監訳)

あっという間にサビつく車体、力を入れても微動だにしないハンドル、スケートのような足まわり、べかべかのダサすぎる内装……。世界の名車からあの人気車まで一刀両断の150台。名車も迷車も一刀両断フルカラーで大解剖。   との触れ込みで、珍車好きの私にとっては、非常に興味深い本でした。

触れ込み通り、「最悪」クルマを辛口批評していますが、内容は間違いも多く、割と適当です。全体としては70年代-80年代のイギリス車が多い印象。実際当時のイギリスは労働問題やら何やらで「老大国」といわれた暗黒時代。国営企業のBL(ボーイズラブではなくブリティッシュ・レイランド)が車を作ってた時期なので、開発や生産投資もできず、自動車もひどかったんでしょうね。日本車が高品質や信頼性を強みに世界シェアを伸ばしてきた時期の話なので、そのころのアメリカや欧州の車は、ちゃんと造れなくて、自滅していたんだろうと想像してしまいますね。日本車も初代日産セレナ/セドリック、いすずピアッツァ、スバルアルシオーネ、スズキX90等々掲載されてますが、品質問題では少なく、ほとんどが、デザインやコンセプトそのもので「最悪」 になってます。

気になったのはアルファロメオ・アルナ 日産チェリー(パルサー)にアルファロメオのグリルとエンブレムを付けた車。リンク先のWikiにも「アルファロメオと日産の美点「前者の美しいデザインや俊敏な操縦性と、後者の高い品質や信頼性の結晶」ではなく、アルファロメオに付き物だった電装系のトラブルと、当時の日本車にありがちな無個性なスタイルと退屈な操縦性という、両者の欠点を寄せ集めたような自動車であった」とボロクソに言われてる。というか、良く承諾したなアルファロメオ。日本で走ったら、きっと「パチもん」扱いされて、後ろ指さされること請け合いです。まあ、ビジネスの都合といえば都合で、こういう珍車は可愛いものですが、問題はいわゆる設計ミスや製造上の問題による「欠陥車」なんでしょうね。 この本にも、「2年で錆びる」「時々燃える」「突然効かなくなるブレーキ」クルマたちが出てきます。安全や環境の基準も当時とは変わっているし、ユーザが求める車の価値も変わってきているのは理解できますが、メーカーが不具合があるまま売ったり、不具合を隠そうとするのは、昔から変わらないんだなと思います。

この本にも掲載のフォードピントの例は、追突されるとガソリンタンクに着火する欠陥があったにも関わらず、欠陥対策にかかるコストと事故発生時に支払う賠償金額とを比較し、賠償金を支払う方が安価であると判断し、そのまま放置した事件がありました。少し前の三菱のリコール隠し、タカタのエアバック問題、そしてVWのディーゼル車のディフィートデバイス問題を連想してしまいました。最近のVWグループは、MQBプラットフォームによるモジュール化や、ダウンサイジングエンジン、日本車を超えた高品質な内装等、ここ最近の自動車のトレンドを作ってきた会社だけに残念です。会社が大きくなりすぎた、アメリカの基準を甘く見過ぎたとか言われてますが、良い車を作ろうと努力している人と、シェアや営業利益率だけに興味がある人が同居してる会社(どの会社でもそうですが)なんでしょうね。まあ東芝の例や有機肥料の会社を見るまでもなく、一番影響力があるのは、経営側の質なんでしょうが…たくさん賠償金払って、早くVWが立ち直ることをお祈りしております。

さて話を戻すと。結局この筆者も相当好きモノだなと。ダメ車に対する愛がないわけではなく、 「どんなクルマも元をたどれば必ず誰かの夢に行きつく」 「世界に名だたる迷車も、初めから道を踏み外していたとは限らない」 と言ってます。日本ではなかなか辛口の自動車批評ができない風土ですが、メーカーやオーナーの反発や圧力に屈せず、ダメ車を愛を持って批評するのも自動車文化の一面なんだなとは思います。ただ、HV車とミニバンと軽ハイトワゴンしか消費者が買わない日本に自動車文化を根付かせる力はありませんけど(辛口) ちなみに私はピアッツア、アルシオーネ、X90結構好きです。

次回はビート第三弾の予定。

プレゼン必勝法!(3)パワポで作るスライドで気をつける7つのポイント

前回でプレゼンでのストーリーの重要性はお伝えしましたが、今回はプレゼンを行う際に使用するスライドについて、まとめたいと思います。WindowsだとPowerpoint、MacではKeynoteで作成することが多いと思います。自在なレイアウト、画像、ビデオの貼り付け等便利なツールで、豊富な機能がありますが、センス良く相手に伝える資料を作成するのはなかなか難しいものです。プレゼンの時間も限られているケースも多いですし、ストーリーや訴求したい要点を、端的に聴く側の視覚に訴え、プレゼンの効果を高めるスライドを作ることは、重要なことです。

下記を参考にしていただいて、プレゼンを成功に結び付けましょう! 私はWindowsユーザですので、Powerpointの内容になっています。

(1)オリジナルのマスターを作る

PPT新規

Powerpointで新規作成する際に、マスターが表示されます。  好みは別として、イメージの統一や配色はそろっているので、パパッと作ってしまうには、便利ですが、オリジナルのマスターを作ることをおススメします。メリットは ・他社、他人とかぶらない ・会社、個人のイメージ統一が図れる ・レイアウトの自由度が高い があり、一度作ってしまえば、保存もできますので、面倒でも是非チャレンジしてみてください。背景については、極力”白”または、黒文字が視認しやすい色が良いです。背景が濃い色で、白抜きの文字によるプレゼンは見るほうも疲れます。

(2)「ページタイトル」と「メッセージ」を分ける

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ページタイトルとメッセージに分けることが基本的な構成です。プレゼンのスタイルによっては、メッセージのみを記載するケースもありますが、ベーシックなのはこのスタイルです。当然マスターで作成し、ページ単位でバラバラにならないように注意します。

(3)配色を統一する

Haisyoku

ついつい色々使ってしまいますが、人間が心地よくなる色の組み合わせは決まっています。PowerPointでも配色パターンは選択できますので、色数を絞り、大きく外した色は使用しないほうが良いと思います。強調したい部分で、黄色や赤を使いたい気持ちもありますが、配色を変えず、白抜き文字、吹き出し、囲み線を太くする、グラデーションを使用するといったことでも同様の効果は得られます。 

(4)ガイドを活用して、レイアウトを統一する

PowerPointのガイドを設定し、ガイドに合わせてテキストボックス、画像を配置すれば、全体の統一感が出てキレイに表示されます。基準線としては、上下左右中心と外枠を設定し、基準線はページで変えないように注意しましょう。 Guide

(5)フォントを統一する

Windowsであれば、”MS Pゴシック”か”メイリオ”がおススメです。たまに明朝体を使っている方がいますが、プロジェクターでの見栄え、認識のしやすさの点で、明朝体は劣ります。太字や特殊フォントについては、使いどころになりますが、ページで共通するタイトルや強調する部分等で効果的に使用しましょう。メイリオは横組みで見やすいフォントとして開発されましたが、下余白が大きいので、配置に注意しましょう。行間についても0.5~1.0はとったほうが、目で追いやすく見やすくなります。

(6)グラフはExcelをそのまま貼り付けない

Excelで作成したグラフを、各項目の数値、凡例、元データ、目盛等々そのまま貼り付けているプレゼンをよく見ます。 

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プレゼンにおけるグラフの利用は、「グラフで言いたいことがある」のであって、データを見せることではありません。棒グラフ、折れ線グラフ等の種類に関わらず、データの差分と変化を視認させることが目的ですので、面倒でも不要なデータは表示せず、強調したい部分にフォーカスするグラフを作成しましょう。 Glaf2

(7)詰め込まない

言いたいことを忘れないようにする為なのか、テキストを詰め込み、結果フォントが小さくなり、全く見えないスライドってよくあります。そもそも資料をそのまま投射し、読み上げても相手には全く伝わりません。見てわかり、相手の記憶に残るテキストを表示するように心がけましょう。写真やイラスト等についても、余白を埋めるため複数の画像で埋めたり、画面いっぱいに配置せず、あえてページ内に余白を取ると、画像に合わせたメッセージが届きやすくなります。 PowerPointはちょっとした工夫で、相手に伝わるスライドに変えることができます。

自分はセンスがないからとあきらめる前に、ぜひPlumsにご相談ください。  

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(2)

前回に書いた通り、ビートは純粋なスポーツカーとは言えないものの、ハマる方にはばっちりハマる不思議な魅力を持っています。すでに20年以上が経過してますが、これからさらに年が経ってもホンダの一連のTypeR、R32スカイライン、ランエボ、インプ、とうふ屋サンの車といった名車の仲間入りができるかどうかは微妙なところでしょう。

今の車に比べれば、乗り味や装備にプリミティブな部分もあり、そろそろ部品供給が厳しくなってくることを考えると、ここ数年が安価に中古で乗れる最後になるかもしれません。まあ選択肢としては、新車でS660もコペンも出てますし、アルトワークスも復活するそうなので、無理してビートに乗る必要はないんですけどね。 それでもビートに乗りたいあなたに、タイトルにもつけた、ビートのダメダメなポイントをお教えします。

(1)遅い

スポーツカーとして買うと、がっかりします。2回手放したのも、遅さに嫌気がさしたのが原因でした。パワーについては、しょせん軽ですし、自主規制もあるので仕方ないですが、オープンミッドシップで剛性を確保するために、車体が重いのが一番の理由かと。今の軽ハイトワゴンよりは軽くて早いですが、上り坂は厳しいですね。車高と座席が低いのと、背中でうなり続けるエンジン音で、実際のスピードより+20km/hぐらいに感じることはできます。はたから見てると遅いですが(笑)絶対的なスピードを求める方は、軽でもターボ付きを選んだほうがよいですね。

(2)壊れる

20年以上経っているので、経年劣化で壊れるのはあたりまえですが、ミッドシップや高回転エンジン等の制約からくる弱点は結構多いです。 エアコン/ディストリビュータ/タイミングベルト/ECU/メインリレー等々 詳細は他のビート乗りのホームページにお任せしますが、①ミッドシップの為エンジン冷却が厳しく、熱対策が十分ではなく劣化が早い②高回転エンジンではあるが、補器類は高回転に対応していないので劣化が早いの二つが大きな理由だと思ってます。エンジン回さないと、気持ちよく走れない車なので、ついつい回し気味の運転になり壊れる…悪循環になりますな。

(3)狭い

最近の軽はビックリするくらい広いですが、ビートは甘えを許さない狭さです。運転席を車体中央にオフセットしてるので、助手席はもっと狭いうえに、シートがリクライニングしません。デートには全く不向きです。後ろにトランクがありますが、テニスラケットは入りません(たぶん)私は助手席を外して引っ越ししたり、真冬にオープンにして、スキーに行く友達を、助手席にスキーを抱えさせて座らせ、駅まで送ったりしてましたが、車に求められる実用性を一台で済ますには全く耐えられません。せいぜいカップルで日帰り温泉か、1泊旅行がいいところでしょう。ところで、S660はトランクも座席の後ろ(ビートは幌を閉めれば、荷物が載せられる)も全くスペースが無いので、二人乗ると手荷物の置き場も無いのですが、どうするんですかね?

(4)暑い・熱い

夏は暑いです。トランクはエンジン熱がばっちり伝わるので、鮮魚とかチョコとかは入れないほうが良いでしょう。暑さはトラブルを誘発します。今年コンビニで買い物後、エンジンかからなくなる事件がありました。5分ぐらいほっておいたら直りましたが(笑) (5)漏れる オイルとか、冷却液とかは漏れません。雨が漏れます。幌とフロントとサイドのウィンドウが交わるところから、じんわりと、時には激しく雨漏りします。自宅はカーポートがあるので、雨の日に乗らなければすみますが、露天の駐車場に止めてあるビートはどうしているのか気になります。車内がビショビショになるだけならまだしも、錆びなければいいのですが… ATが無かったとか、タイヤが前後でサイズが異なるのでローテションできない、タイヤの買い替えが割高、シートがジャージ素材(大阪のおばちゃんが着そうなゼブラ柄)で破れやすい とかいろいろありますが、ここまで書いてみるとなんでビートに乗ってるかわからなくなってきました。それでも、ビート偏愛者はダメダメも合わせて愛してしまっているのです。

次回は、現在の私のビートの紹介とメンテナンスです。だんだん、みんカラになってきましたが…

遅い!壊れる!気持ちいい!ホンダビートの素晴らしい世界!(1)

くるまマイスターの愛車遍歴にも書きましたが、これまでに私は3回ホンダビートを愛車にしています。どんな車かは、こちらを見ていただくとして、ホンダビートの魔力について書いてみたいと思います。

近頃ホンダから軽規格のスポーツカーS660が出ましたが、さかのぼること20数年前に同様のコンセプトでホンダから発売されたのが、BEAT(ビート)です。もっと前には同じ名前のスクーターがありましたが、車の方が後です。二輪と四輪で同じネーミングを使うのは、スズキのハスラーと同じですね。一台目は新車で乗りましたが、1991年の発売当時はアルトワークスやらミラTR-XXやら軽のパワー競争が激しかった時期で、安全面等への配慮から、ビートも本格的なスポーツカーとは名乗れず、”ミッドシップアミューズメント”という、遊園地の乗り物のようなキャッチフレーズと、マニアックすぎて、あんまり売れなかったスクーターの名前で発売されたのに違和感を感じたのを覚えてます。新車スクープ雑誌の予想では、S660が有力だったんですが…まあ、実力からすれば、S(エス)を名乗らなくてよかったなとは思います。

軽にしては非常に高価だったにもかかわらず、発売当初は生産が間に合わず1年以上の納車待ちになったりしましたが、実用性がほとんどない車ですので、需要が一巡したあとは、ぱったり売れなくなり、1996年の生産中止までの販売台数は、たしか3万3000台ぐらいだったと思います。同じようなコンセプトのカプチーノが2万6000台ぐらい、AZ-1が4000台ぐらいの販売台数(薄い記憶)だったので、今でも街で見かける機会を考えると、20年以上後のビートの残存率は高いのではないのでしょうか?(私のご近所でも、数台います)ホンダは比較的古い車の部品の供給を続けてくれるので、維持しやすいのもありますが、確実にビート偏愛者は一定数いるということでしょう。 そんな、ビート偏愛者の理由を私の独断と偏見でまとめてみました。

(1)スタイリング

いびつな軽規格の寸法の中で、フロントからリアに無駄なラインを入れずにまとめたスタイリングは、経年劣化しないスタイリングで、クラシックフェラーリの隣に並べても遜色ない。と思う。一説によれば、ピニンファリーナ案ともいわれてますが、前ヒンジで空くボンネットとか、サイドのエアインテークとか、スーパーカー世代の琴線をくすぐるデザイン。カラーは軽ナンバーの黄色が目立たないのと、小さくて車高が低く、周りの車から視認されにくいので、黄色が一番似合うと思ってます。唯一気に入らないのは、フロントデザインがあっさりしずぎていて、間延びしてる点。この時代の他のホンダ顔との共通性と軽の規格が原因なんだろうなぁ。

(2)エンジンとシフトフィール

トルクは低いが、気持ちよく8500回転まで回るSOHCの自然吸気エンジン(E07A)。3連スロットルや、オイルパンのエアフィンとHONDAの刻印、俊敏なスロットルレスポンス等バイクのエンジンを思わせる仕掛けが組み込まれている。シフトストロークは40mmでNSXと同じ。シフトチェンジの際、手首だけで決まる感触は、シフトを苦痛ではなく快楽に変えてくれる。E07Aはいいエンジンなんだが、DOHCだったらなぁと20年以上経ってもまだ、残念に思っているのも事実。やっぱり、HONDAはツインカムでないと…

(3)ミッドシップ

ミッドシップが素晴らしいかというと、そうでもない。室内は狭くなるし、熱いし、二人しか乗れない。ミッドシップがどれだけ貢献するかといえば、軽のパワーと車重なら、別にFFでもスポーツカーはできると思う。ビートは特に安定性に振った運動性なので、余計にそう思えます。端的に言えば、スーパーカーっぽいスタイリングを実現する以外は、まあ無駄なわけです。専用のシャーシ、2シータオープン、生産性の悪い幌、コストの縛り、メーカーからすれば開発者を鍛えるチャレンジですが、一般のユーザからすれば、あまり価値は無いわけです。ところが、偏愛者はそこに”萌える”んですな。ホンダスピリットとかいって。希少車ではないですが、成り立ちが特殊な車は偏愛者をひきつける何かがあります。

(4)低い車高と座面とオープン

車高も座面も、ほんとに低いです。ヒップポイント(地面と座面上端との距離)はS2000が375mm、S660が335mm、ビートは330mmです。ほとんどお尻が地面を滑っていく感じ。車高は、1175mmで隣にダンプが止まると、ダンプのタイヤより低いです(笑)幌を開け、低い運転席に座ると、もう非日常世界です。オープンにしても、盛大に風が入ることはないですが、季節が良い頃のオープンカーの爽快感は格別です。

(5)その他もろもろ

・ルームミラーがNSXと同じ部品

・本田宗一郎最後の4輪車

・軽自動車初のSRSエアバック装着(が選べた)

・運転席が25mmオフセットされてる(助手席が狭い)

・ステレオが車速連動で音量が変化した(うるさいから聞こえなくなるので(笑))

まあ、この辺は普通の方にはどうでもいい事ですが、偏愛ポイントに加算される内容ですな。エンツォ・フェラーリが最後に出した車がフェラーリF40に対して、本田宗一郎がビートって。まあ似合ってる気がしないでもないですが… とーっても素晴らしい車に思えますが、次回はビートのダメダメなポイントについてです。